第3章 普通の子
「それじゃ。」
「あっ…」
ドアの方へ向かう刈真を見て、
私はさみしくなった。
一緒にいてくれないだろうか。
急に背中が寒くなる。
私のそんな気持ちに気づいたのか、
彼は振り向いて微笑む。
「安心して。僕はここに来るから。」
そう言って教室を出て、
廊下の先へ去っていってしまった。
優しい笑顔 声 それが遠ざかっていく。
その時、立ち尽くしていた私の肩を
誰かがポンっと叩いた。
さっきの女子生徒だ。
「ねぇねぇ、さっきのイケメン君誰!?
もしかして知り合いなの!??」
スタイルのいい彼のことだ。
当然見とれる女子も多いだろう。