第15章 夏祭り
沙「ありがとうございます!」
現在、私は翠に頼んで、
浴衣の着付けと髪型をやってもらっていた。
翠は手が器用なので、
とても浴衣が綺麗にされている。
結んでもらったお団子の髪だって、
私じゃないくらい可愛く仕上げてくれた。
翠「ふふっ女の子は可愛くなくちゃね!
あ、そろそろ夏祭り始まるかな?よしっ
行くよっ!沙織っ!!」
沙「うんっ!!!」
私と翠は、
ふたりでにっこりと笑い合うと、
支度をして学校へと足を進めた。
やはり普段履きなれていないので、
下駄がどうもうまく歩けない。
途中までは翠に支えてもらいながら歩いていた。
そして、騒がしくなってきている
学校の門の前に到着する。
沙「あっ!如月さんじゃないですか!」
翠「あ、本当だ!」
私達の前に佇んでいたのは、
呑気にわた菓子を食べている優一の姿だった。
仮面ラ〇ダーのお面を頭にかけており、
浴衣は縦のラインが沢山ついていた。
ネズミ色の浴衣が、優一のイメージにはピッタリだ。
優一に近づいていくと、
相手もこちらに気づいたらしく、
軽く手を振ってくれた。