第3章 普通の子
人気のない道を通り、学校へ行く。
通学路は決まっているのだが、
ここから行けば誰にも会わずに済むのだ。
そして裏の門からこっそり入り、
第二校舎の側にある螺旋階段を駆け上がって
教室まで一直線に走った。
私はいつも1番最初に教室につくよう
心がけている。そっちの方が空気が軽い。
あとから入っていくと、皆の視線が怖いから…。
今日も一番だ…と教室に入ろうとしたら
中に人が居てものすごく驚く。
私は相手から見えない位置に隠れて
様子を見た。
こんな早くに誰が・・・?
じっと見つめると、その正体が分かり、
胸をなでおろす。
「嶋瀬くん・・・。」