第2章 いきつけのフード店
今目の前にあるのは
自分のためにつくってくれた朝食。
そう思うと、気持ちが朗らかになってきた。
昨日から 嬉しいこと続きで逆に怖くなりそうだ。
まだ温かいココアのカップを手にかけ、
ゆっくりと口の中に流し込んで、味わった。
「…おいしい。」
とたんになぜかポタポタと涙が流れてくる。
こんなにおいしいココア、初めてかも知れない。
店員さんはそんな私に驚きながらも、
すぐに微笑み、優しく頭を撫でてくれた。
「つらいこと、あったんですね。
大丈夫・・・大丈夫・・・。」
撫でられたことにドキッとしたが
その手は優しすぎて、まるで母親のようだ。
高校にはいってから一人暮らしをはじめ、
もう両親とは二年も会っていない。
今度、会ってこようかな・・・。
私は温かい気持ちになれた。