第14章 刈真の過去
憂鬱な月曜日
今日も、外は蒸し暑かった。
私はシャツの襟をパタパタと動かし、
体に風と空気を送る。
もう夏になったので、
昨日から制服は夏用だ。
隣で刈真も暑そうに袖をめくっている。
そして、私と同じように襟をパタパタさせ、
「暑いね。」
と微笑んでいた。
その笑顔にもクラっときたが、
第二ボタンがしめられてなく、そこから見える
刈真の首筋にもクラっと来てしまった。
(私はついに変態になったのか…?)
そんな自分に冷や汗をかく空の下、
私達は学校へと足を進めるのだった。
―――お昼休み―――
翠「あぁあ~。もう疲れすぎたァ…」
翠が私の机に腕を乗せ、
なまけもののようにぐったりとする。
私は翠に風を送ろうと、
下敷きで忙しく仰いでいた。
沙「もう夏本番ですしねぇ。」
刈「もうすぐ夏祭りが開催されるよ。」
刈真の言葉に、翠はガバッと起き上がった。
その勢いに、ついていけず、沙織の持っていた
下敷きに思いっきり翠は頭をぶつけてしまった。
沙「ああっ!!ごめんなさいっ!!」
翠「いたたた…大丈夫。
それより…そうだ!!夏祭りがあるんだ!!」
刈「翠さんは夏祭り好きなんですか?」
翠「うん!!ワイワイヤル系大好きなんだ!!」
沙「翠さんは前の夏祭り、
5・6人ぐらい引き連れてましたもんね。」
刈「引き連れて…?」
翠「ちょっと沙織。私が
ヤクザみたいなこと言わんないで(^_^;)」