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「 水色の革命 」

第11章 初めてのお出かけ




沙「あー、楽しかったっ!」

刈「お店もたくさん行ったしね。」


私達はお昼を食べたあと、店をでて
駅前の大きなショッピングモールで買い物をしていた。

私は洋服のお店で、
気になっていたスカートを購入。
サイズを合わせるため、試着してみたら
刈真に「沙織はスカートが似合うんだね。」と
言われ、余計スカートが欲しくなったのだ。

そのため、今私はとても気分がいい。

沙「あ~…でも、今月もうお金なくなっちゃった。」

歩きながら私はえへへっと笑う。
刈真は手をフラフラさせながら私の言葉に微笑んでいた。


刈「高いもの買ったからね。バイトとかしないの?」

沙「うーん…。」

刈「噂に聞いた話では怪しい薬品の実験台とか
  結構ギャラが高いらしいよ(-∀-)」

沙「そんなに体張ってまでするのは嫌だよ…(汗)」



そんなくだらない話をしながら歩いていた。
歩道橋の上を通っているとき、ふと川の方を
みると、どんどん夕日色に染まっていた。

私は立ち止まって夕日に顔を向ける。
刈真は三歩程歩いてから、立ち止まって歩道橋の
さくにゆっくりと手をかけた。

空がオレンジ色に染められ、日が沈んでいく。


沙「綺麗…。」


刈真は何も言わず、ただその夕日を見つめていた。
時間がゆっくりと動いている感覚がする。

やがて刈真が手をおろし、微笑みながら言った。

「帰ろうか。」

オレンジ色の笑顔がそっと手を差し出す。

「うん。」

私は手をしっかりと握り締め、
刈真と一緒に再び歩き始めた。

「じゃあ競争してみてもいい?」

「手をつないだままじゃできないよ。」

「あはは、そっか!でも、この手は離したくない。」

「じゃあ、二人で走ろうか。」

「二人三脚だ!!」

「うーん…それも違うような…」

「まあ行こう!!」

「うん。」






その手の温もりは、
まるであの夕日の光を浴びたように
とてもあたたかいものだった。
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