第11章 初めてのお出かけ
文化祭が終わってから二日目。
それに私と彼が付き合ってからも二日目だ。
窓から見える広く澄んでいる大空と
涼しい南風がさらりと頬を触れてくる。
このところ、
蒸し暑い夜が続く季節に近づいてきた。
一方彼との間にはまだ何も進展はない。
ただの友達のような関係なのだろうか・・・。
普通に一緒に過ごし、屋上でお昼を食べ、
一緒に話し合い、一緒に下校するくらいだけだ。
翠「いやいやいやっ それ結構仲良すぎるって。」
沙「あっ!翠さん!!!」
刈「いつの間にいたんですね。」
翠「結構あんたらラブラブなんだからね!?
自覚しなさいよ!!?こっちも気が狂うわよ!?」
翠は私の机に手をつきながら話し出す。
それを微妙に聞き流しながら窓の外を眺めていると、
聞き捨てならない言葉が聞こえてきた。
翠「そういえば二人共、デートしたの?」
沙「!!!!!!!!?」
ガタンッ!!!
私は勢いよく立ち上がってしまった。
二人は愚かクラスの皆までもが目を丸くして
こちらを見ている。
自分は何をしているんだ・・・と
顔を真っ赤にしながら再度座り直した。