• テキストサイズ

【ハイキュー】エンノシタイモウト第二部

第22章 【合宿 第五幕】


「兄さんは絶賛他所で合宿中です。」

"あら残念"
"まま兄いないのかー"
"さびしー"
"楽しみにしてたのにー なんちゃって"
「うう、兄さんの人気に嫉妬。」
"心配するな、主と合わせておいしい"
「私らは食べもんかっ。」

赤葦がここでカオスだな、と呟いた。

「それに何で君も見てる人に認知されてる訳。」
「ちょっと事情が。」

力は適当に言ってごまかすがごまかしきれていない気がした。

"というかまま兄抜きで配信していいのか"
「大丈夫、やる前にちゃんと連絡しました。」

美沙が言った瞬間、画面の向こうの奴らが荒ぶりだした。

"待てwww"
"連絡wwwwwwww"
"え、まま兄合宿中なんだよな?w"
"どんだけwww"
"さすがシスコンwww"
"安定のまま兄貴w"
"ちょ、腹筋返せwwww"
"wwwwww"

「オンラインでまでシスコンてよばれてるのか。」

赤葦のじとっとした目つき、力は流石に冷や汗が流れる。

「ええいっ笑うなーっ。しゃあないやん、黙ってやってもどうせバレるし。」

聞こえる美沙の声から画面の向こうで顔が真っ赤である事が容易に想像出来る。

"つーかまま兄さんって部活何やってんの"
「バレーボールです。結構長い事やってはるんちゃうかなぁ。」
"かっけえな"
"ポジションは?"
「ウィングスパイカーです。」

へえ、とまた赤葦が言った。

「ちゃんと答えられるのか。」
「俺が部活の話したら結構興味持って聞いてくれてるみたいでさ。」
「いい子だな。」
「だろ。」

しかし力は赤葦に君が言ったら病人にしか見えないと手厳しく突っ込まれてしまった。苦笑してスマホの画面に目を戻す。

"強い?"

流れるコメントで出た質問に力は1人ぎくりとした。美沙はどう答えるのだろう。

「私、一般的なバレーボールの尺度はようわからんけど、兄さんが弱いと思た事はないです。」

スマホのスピーカーから聞こえる義妹の言葉に力は目を見開き、横で見ていた赤葦が珍しくニヤリと笑った。

"おおー"
"言ったな、主"
"おにーちゃん大好きか"
「そら嫌いやないけど」
"にしてもなかなか言うじゃん、主"
「だって、」

ままコこと縁下美沙は義兄と自分の知らない人が一緒に見ている事を知らずに言った。
/ 333ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp