第17章 【外伝 茂庭とエンノシタイモウト】
今日の事は胸にしまっておこう、茂庭は決めた。もし、万一、縁下力君に会う事があったとしたらその時は何も知らないふりをしておこう。別に自分はあの子に何かするつもりは全くないけどその方が縁下君も安心するだろう。
「ったくからかうなよ、二口。俺はもう行くからな。」
「えー、何すか冷たいじゃないすかもっと相手してくださいよー。」
「お前何キャラなんだ。」
二口の相手をしていた茂庭は気がつかなかったが、黙って話を聞いていた青根が縁下美沙が去っていった方向を見つめて小さく呟いていた。
「女子。」
幸い茂庭にも二口にも聞こえていなかった。
次章へ続く