第2章 【ままコon air】
そうして制限時間が来て配信は自動終了した。ままコこと、美沙はスマホでアプリを終了させ、はあああああと大きく息を吐く。義兄の方を向くのが怖い。ライブ配信を始めた事を叱られるだろうか。恐る恐る義兄の力の方を振り返ると力は穏やかに微笑んでいるが何かの圧力を感じる。
「美沙、」
「はっ、はいっ。」
美沙は飛び上がって気をつけをする。
「何俺に内緒で面白そうな事始めてんの。」
「いやそれはって、え、今何て。」
美沙は語尾を疑問形にする。
「今度配信する時は呼んでくれよ。」
「兄さん、何かちゃう方向に踏み込んでへん。」
「大体お前のせいだよ。」
「せやけど別に首突っ込まんでも。」
「お前が好きでお前が見ている世界を知りたいと思ったらいけないのか。」
美沙は顔を真っ赤にした。
「兄さん、最近台詞がちょいちょい臭い。」
「さぁ。」
「ごまかしたっ。」
美沙は抗議するが例によって力は聞かない。何かの予感がして逃げようとした美沙は力にあっさり捕まり、抱っこされて唇も塞がれてしまった。オンラインの連中に知られたらえらいことだと思った。
次章に続く