第14章 【兄は総毛立つ】
「幼稚園の時、先生の話聞くのにみんなで座ってるやん。」
「うん。」
「横におる男の子がよう人のスカート引っ張ったり足触ったりしてきた。」
「え。」
「あと、中学ん時、やたら人の腕やたらつねってきたり手ぇ触ったりする奴がおった。」
聞いた途端、力は総毛立つ思いがした。
「ちょ、兄さん、んぐっ。」
突如義兄に何度も唇を重ねられた美沙は唸るが力はそれを無視する。冗談じゃない。やっぱり義妹を他の野郎共に触らせてたまるか。
「美沙。」
たまらなくなって力は呟いた。
「どこにも行くなよ。」
「いつも言うてるやん。行かへんよ、兄さん。」
義妹はその小さな紅い唇でにっこり笑った。
次章に続く