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【ハイキュー】エンノシタイモウト第二部

第12章 【音駒との邂逅 第五幕】


「お兄さんが出てきましたよ。」
「何だ、研磨まで威圧してたら笑うしかねえぞ。」
「普通に話してます。」
「ならいーわ。」
「あのにーちゃん超ヤバイんすけど。どんだけ美沙好きなんすかね。」

こっそりとブーブー言う灰羽に福永が腰のあたりをちょんちょんとつつき、振り向いた灰羽に向かって人差し指を突きつける。

「夜久さん、通訳っ。」
「あれはお前が悪いってよ。俺もそー思うわ。」
「何でっ。」
「海、あと頼むわ。」
「初対面でしかも華奢(きゃしゃ)な子をお前の力でいきなり掴んだらそりゃびっくりされるし兄貴も心配するさ。気遣いも大事だぞ。」
「うう。」
「リエーフ怒られてやんのー。」
「犬岡、うるせーぞっ。ところで華奢って何だ。」
「俺もわかんないっ。」

阿呆2人に芝山が解説する。

「繊細で弱々しい感じの事だよ。」
「確かに美沙細かったっ。」
「ちゃんと食ってんのかなぁ。俺なんか食べても食べても腹減るのに。」
「それより、」

芝山が呟いた。

「夜久先輩、あれはお兄さんとして普通なんでしょうか。」

夜久がああん、と眉根を寄せて見た先では孤爪と話している美沙の後ろで解けかけた髪のリボンを直してやっている縁下力の姿があった。

「すっげえ微妙。」
「美沙さん、やっぱり天使だ。」
「お前は横でキモいこと言ってんじゃねえっ、山本っ。」

夜久が山本をどついている間に烏野の方から西谷や田中がやってきて話しかけてきたので音駒側は縁下兄妹を気にするどころではなくなった。しかし縁下力は話題にされていることを察したのか彼らに目を向けていた。

次章に続く
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