第11章 【音駒との邂逅 第四幕】
「おい、マジであの兄貴大丈夫か。」
遠目でもわかる力の心配している様子に夜久は逆に心配そうに言った。
「よほど妹が大事なんだな。」
海が笑い、夜久はうーんと唸る。
「山本ん時も思ったけど過保護つーかシスコンにも程があるだろ。さっきチームメイトに重症呼ばわりされて回収されてたぞ。」
「そんな風に見えないのに人って不思議ですね。」
「つーか」
夜久は渋い顔をして言った。
「研磨の話じゃ義兄妹っつってたよな、烏野のあの6番、あの子の事妹じゃなくて」
言いかけた夜久に福永が反応した。
「いやお前、それ以上は言っちゃダメですっつってもな。」
無表情でしかし片手を顔の前で左右に振る福永の意図を読み取り夜久は言った。
「そう思いたくもなるわ。」
「海先輩、何のお話なんでしょう。」
「芝山は気にしない方がいい。」
海に言われて芝山はそうですか、と呟き、自分も縁下力の方に目をやる。力は丁度、成田と木下に妹ガン見し過ぎだとおちょくられていた。
次章に続く