第2章 【ままコon air】
「んと、今日は初めての配信なんでとりあえずテストがてら雑談しよかなって思います。あと、私関西弁で抑揚とかがどうしても取れないので嫌いな方はお気をつけてです。」
言い終わると意外なことに初コメントが入った。
"自分関西弁好きだからおk"
「あ、ありがとうございます。そう言ってもらえると嬉しいです。」
美沙は答える。
"主は関西人なの?"
「いや、出身も育ちも関西じゃないんですが、私ちょっとややこしい事情があって関西人のばあちゃんに育てられた結果こうなりました。なので文化とか考えも多分関西よりです。」
"ばあちゃんに育てられたって何があった、主"
「あ、んーと、父と母が私生まれてすぐに亡くなりまして、それで母方のばあちゃんに育てられました。」
"てことは配信してるのばあちゃんにバレたらやばくね?w"
"自分もオモタ"
「いや今ばあちゃんいたらそれ心霊現象。」
美沙はうっかり呟く。途端にコメントがほんの少しだが盛り上がった。
"待て主w"
"今さらりと重い事言ったなwww"
"真面目な話、あんたどういう状況?"
"声からすると学生さんっぽいけど"
「あ、えと、ばあちゃんは最近亡くなったんだけど、その、とりあえず一人暮らしではないです。ちゃんと保護者います。」
"今主の動画見てきた。"
"可愛い動画作ってるけど今の話と一個動画に書いてた主コメ見た限り"
"何か背負ってるね"
"そうだ、何でハンネがままコなの"
今見ているのはほんの少しでコメントを打ってるのは更にその一部だろうがみんな反応早いなと思いつつ美沙は話し始めた。
「んと、ざっくり言うと今言ったとおり、生まれた時に両親亡くなってばあちゃんに育てられてたけどばあちゃんも亡くなって、今度は親戚筋でも何でもないよそのお家に引き取られた、今ココって感じです。」
"何その波乱万丈な人生www"
"他人に引き取られてよくこんな配信出来るな。"
「私すごくラッキーで、どうも望まれて引き取られたみたいです。自分で言うのも何だけど新しい家族にめっちゃ可愛がられてます。ありがたいです。」
"いい話だなー(´;ω;`)ブワッ"
"なんていいご家族なんだ"