第2章 【ままコon air】

とまぁ最初は少し真面目で暗めに始まったが後ろめたさにを感じつつも縁下力に溺愛されている義妹の美沙、こいつはオタクの中でも動画投稿者でままコというハンドルネームにて自分で絵を描くジャンルで細々とやっているのは義兄の力他烏野の男子排球部関係者と成り行きで青葉城西のバレー部の連中にも知れている事である。そのままコこと縁下美沙はとうとう動画投稿に飽き足らず新しい事に手を出した。

「えーと、まずアプリ起動、ログイン。」

スマホを弄りながら美沙はブツブツ言っている。

「で、メニュー、ライブ配信、これか。」

画面表示を確認しながらタップする美沙、声出し確認をしている様子がますます怪しく見える。

「ほんで配信内容説明、んと、どないしょうかな。完全初めてのやつがやるスマホからのテスト配信です、グダグダやフリーズ多いと思います。とりあえず雑談しますのでよろしく、としよか。」

美沙は呟きながらフリックでライブ配信内容を打ち込む。他の必要事項も選択した。あとは

「いよいよや。」

美沙は大きく息を吸う。スマホの画面の一番下、配信を開始するボタンが主張していた。タップする前に美沙はちらと部屋のドアに目をやる。人の気配なし、足音もしない。

「行くで。」

ドキドキしながら配信を開始するボタンをタップした。いよいよハンドルネームままコのリアルタイムライブ配信が始まった。

「えーと、ども、ライブ配信では初めまして。」

スマホに向かって美沙は控えめな声で喋ってみた。不特定多数の人に声のみとはいえ配信されているなんてドキドキである。

「ままコって言います。えと、普段は描いてみた動画投稿してて、ぶっちゃけ絵がひどいのでど底辺なんですけど、何となく違う事もしてみたくなってスマホからライブ配信やってみました。初めてなんで声聞こえねーとかあったら教えてください。」

一通り自己紹介してみたが反応がない。配信者用の管理画面を見れば誰か見ているのには違いないがコメントがない。まあそんなもんだろうと思ってとりあえず美沙は話し続けた。