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【ハイキュー】エンノシタイモウト第二部

第9章 【音駒と邂逅 第二幕】


「それよりお前、でっかい奴、地味で悪かったなもしスマホ持ちなら覚えてろ次言ったらこっそり怪しいアプリ入れてやるからな。」

しかしここでまずい事が起きた。

「ごめんっ。」
「ふぎゃあああああああっ。」

第二体育館に美沙の叫びが響いた。その場にいた一同は一斉に注目する。勢い余った灰羽がごつい手で美沙の肩を掴んでしまったのだ。

「マジで悪かったっ、俺そんな可哀想な奴なんて知らなかったんだっ。」

灰羽は涙目で言う。

「あう、いや、知らないのは仕方ない、しかしだな。」
「お前、苦労してんだなっ。俺そんなんなったら泣くきっとっ。」
「いや、私も泣かなかったわけじゃないけど苦労なんてないぞ、今の家族に望まれて引き取られて滅茶滅茶大事にされてるから。」
「特に縁下さんにだなっ。」

美沙は慌てたように首を横にブンブン振った。

「日向、それ以上は言うたらあかんっ。」
「意地悪言って悪かったっ、俺灰羽リエーフ、音駒のエースだ。」
「あ、どうも、烏野1-5縁下美沙、その辺にいるただの約1名、部活は入ってない。今日は撮影要員で引っ張り出された。」
「美沙の嘘つきっ、ただもんじゃないじゃんっ。」
「こらっ、どーゆー意味やっ。」

美沙は日向に言うがあまり意味を成さず、犬岡が話に食いつく。

「ただもんじゃないのか。」
「えと。」
「俺は犬岡走、よろしくっ。」
「ああ、すばしっこい人って君か。」
「知ってんのっ。」
「日向から聞いた。」
「やったっ、俺有名人っ。」
「美沙、よろしくなっ。」
「う、うん。それより灰羽君とやら、肩掴むのいい加減やめてくれ、痛いし君の寿命が保証出来なくなる。」

言いながら美沙はこそっと辺りを見回す。案の定義兄の力が無表情で見ている上にこっちに来ようとしている、これは大変にまずい。木下と成田がよせこのシスコン縁下毎度毎度それが駄目なんだって田中と西谷も手伝ってくれなどと言いながら義兄を引っ張って止めようとしているが仲間を引きずりながらも力は止まる気配がない。義妹に対する執着心のなせる技か。
事情を知らない灰羽はまだ美沙の肩を掴んだままで聞きたいことを聞いてくる。
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