第63章 【強制送迎宣言あるいは混沌】
「うちの美沙がお手数おかけしました。」
「気にすんな、たまたまクソ川が変態ぶりを発揮してよ。」
「そうそうって岩ちゃん、何て事言うのさっ。」
「及川さん、何をなさったんです。」
「睨まないでよっ、俺は美沙ちゃん発見しただけだって。いやぁ流石俺だね。」
「兄貴以外は抱っこ禁止ってままコに言われてた。」
「ちょっと狂犬ちゃんっ。」
「京谷、今のはナイス。あ、そうそう、こいつがいつも妹さんのお世話になってます。」
「うーん、むしろ美沙が京谷君のお世話になった気も。」
「こいつハンネ覚える程度には妹さんの事気にしててさ、うちで話題になると結構食いつくんだよな。」
「矢巾その辺にしとかないと。京谷が唸ってるぞ。」
「渡君もごめんよ、いつも。」
「俺は大丈夫だよ。妹さんはいつも面白いな。」
「それよりうちの主将が不倫しててすみません。」
「何の話、国見君っ。」
「そのままです。そっちの嫁に手を出してるので。」
「勘弁してくれよっ。」
「指輪つけさせた癖にですか。」
「国見もうよせって。あ、あの、妹さんの浴衣似合ってますね。」
「ありがとう、金田一君。着てもらうまでが大変だったけど。」
「そうなんすか。」
「稀に見る浴衣嫌いでさ。」
「それは果たして女子なんすか。」
「何か言ったかい。」
「いーえっ。」
「バカらっきょ。」
言うまでもないが混沌とした状態である。現に田中、清水、谷地は状況を見つめるしかない。元凶である美沙は顔を真っ赤にして俯いたままだ。
「あの縁下が1人で青城と渡り合っておる。」
「清水先輩、縁下さんあんなのが最近多くありませんか。」
「縁下は話振られたら無下にしないからじゃないかな。」
「ちゅうか私のせいやんなぁ、やっぱ。」
「気を落とさないで、というか美沙ちゃんはあちこちでモテモテね。」
「絶対ちゃうしっ。」
「そーっすよ、潔子さんっ。潔子さんが一等お美しくて悪い虫が寄りやすいんすよっ。そらもー縁下妹とは比べ物にならないくらい。」
「田中さん、それ縁下さんに聞こえたら後程が大変かと。」