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【ハイキュー】エンノシタイモウト第二部

第57章 【外伝 副主将の独り言】


美沙は目をそらして戸惑っている事を全身で示した。指摘した事は間違いなく図星でありしかもまだ何かあると菅原は感じる。ふと思いついてポンっと手を叩いた。

「ああそっか、縁下以外の付き添いは嫌なのか。もう、ホント旦那大好きだなぁ。」

途端に美沙は慌てた。

「文脈丸無視かいそんな話してへんそして旦那言うなっ。」
「よしよしいつもの調子に戻ったな。」

美沙はぶーと膨れっ面をする。

「まーでも、貰った指輪つけてたりしてちゃ説得力皆無だけどなー。」
「何や男バレの人らはこんなんばっかりか。」
「文句言わない。ほら、いい加減しないと手え繋ぐぞ。」
「嫌やっ。」

元々冗談ではあるがブンブンと首を横に振る美沙を見て菅原はやはりクスリと笑ってしまう。大抵の女の子ならこういう時もうちょっと照れてやんわりと断るだろう。しかし縁下美沙ははっきりと嫌がった。嫌われているのではない事を理解した上で菅原は心から呟いた。

「ホント愛されてんなー、縁下。」

ほんの少しだけ後輩が羨ましいと思った。美沙の方は困り果てた顔をしていた。

そうやって保健室までの道中に菅原は美沙から自分が見ていない部分の事情を聞いた。

「そっか。」
「よう考えたらそない思てる人がおってもおかしないのに私はあきませんね、どうもその辺が鈍くて。及川さんにも他所様の悪意に鈍感や言われましたけど。」
「あーうん。」

曖昧な返事をしたのは否定できなかったからだ。

「でもさ美沙ちゃん、それでも何というかもうちょっとこう、反論とか抵抗とかしても良かったんじゃないか。意図的に何かしたんじゃないんだし少なくとも俺は美沙ちゃんが抵抗したって聞いても責めないよ。縁下だってきっと。」

美沙はうーんと唸った。

「せやけど自分も嫉妬するのに相手に嫉妬すなて言われへんでしょ。」

おやおやと菅原は思った。

「美沙ちゃんも嫉妬とかするの。」

たちまちのうちに美沙の顔が赤くなった。

「するんだ。」
「いやあのその」

ついニヤッとする菅原に対し美沙はモゴモゴと言う。
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