第54章 【義妹復活する】

「でもあの子が風邪治ったのは良かった良かった。」
「それは何よりだけどやっぱりあいつら3人うるせー。おい福永行ってこい。無理じゃない、今から訓練しとけ。」

そんなぁと言いたそうな目で福永は夜久を見てしかし渋々ながら灰羽達がわあわあ言っているところへ行く。

「ちょっ福永っ、離せーっ。」
「ああっトラさんっ。」
「引きずられてるっ。リエーフ、今の見たかっ。」
「見たっ。あ、美沙だ、キノコキャラのスタンプいっぱいきたっ。」
「こっちもきたっ。」
「あいつどんだけこれ好きなんだよ。こっちの画面菌類だらけじゃん。」
「そのうち本物育てるんじゃねっ。」
「そんで食い過ぎて縁下さんに怒られるっ。」
「ありそーっ。」
「あ、あのさ、2人とも、黒尾さんたち来るまでにいい加減にしないと大目玉食らうよ。」
「芝山が頑張ってる。成長したな。」
「夜久、泣かない泣かない。」

言っているうちに部室のドアがバーンと開いた。

「お前ら何やってやがる、部室の外まで声響いてんだろーが。」
「みんな元気だよね。」

黒尾と孤爪である。

「あっ、研磨さんっ。」

灰羽が言った。

「美沙風邪治ったってっ。」
「知ってる、翔陽からメールきた。一安心だよね。縁下君が一番心配してたろうけど。」
「おい待て」

黒尾が呟いた。

「さてはさっきの騒ぎ」

黒尾が言い終わらないうちに他は聞こえなかったふりをして着替えやらなんやらにかかる。

「やっぱりか、そうなんだな」

ヒクヒクしながら黒尾は言った。

「烏野の地味リボン、またあいつかあああああああああああっ。」
「クロうるさい。それにあの子いつもリボンじゃない。」
「知るかあああああああああっ。」

狭い部室に黒尾の声が響き渡った。

当の美沙は家に帰る途中で何度かくしゃみをした為、私まだ起きたらあかんかったんやろかと考えていた。

次章に続く