第54章 【義妹復活する】
「そこで連携しなくていーよっ、てかほぼみんなひどすぎっ。ところでマッキー、クラックて何。」
「だからおめーは話題を一つに絞れっ、最近どんな癖ついてやがんだボケ川っ。」
「何だお前ままコにまとわりついてるくせに知らねーのかよ、システムに入り込んで中身ぶっ壊したり勝手に変えたりする事なんだと。」
「マジでっ、ハッキングとどー違うの。」
「手元の板で調べろ、クソ及川。」
「岩ちゃんさっきからさりげに罵倒しないでっ。」
「耳元で喚くなっ、それからさりげじゃねー、堂々とだ。」
「威張んなくていーよっ。」
「うるせえ付き合わされるこっちの身になりやがれ次何か言ったら塩ぶっかけっぞっ。」
「汚物扱いの次は悪霊扱いなのっ。」
「わかったらおとなしく清められとけ、このグズ川っ。」
及川と岩泉はまたもわあわあやりあい、他はやれやれと遠巻きにする。
「矢巾、あれどーする。」
「渡、俺そういう係じゃないんだけど。あれだな、話題の縁下美沙さんがあの有様見たら面白い事になりそうだな。」
「ままコが。」
「お前も最近あの子の話題になると食いつくよな、京谷。なんとなーくだけどさ」
矢巾は少し間を置いてから言った。
「南天植えてもいいかって聞いてきそう。」
渡が魔除けじゃないか、と呟く一方で
「ままコ、治って良かったな。」
京谷がポツリと言った。
そしてこちらは東京、音駒高校である。
「犬岡っ、そっち来たかっ。」
「きたきた、美沙風邪治ったって。」
「美沙さん治ったのかっ、良かったああああ。」
声を上げる灰羽、乗っかる犬岡、さらに小耳に挟んで勝手に号泣する山本、言うまでもなく騒がしい。
「またやってる。」
芝山がため息をついた。
「何であの人が絡むと毎度こーなるんだろう。」
横で聞いている福永がさぁと言いたそうに首をすくめて夜久の方を見る。
「俺にわかるわけないだろ。とりあえず誰かクロと研磨が来る前に山本黙らせろ、めんどくせーから。いや福永、無理無理じゃねーよいい加減お前らのうち誰かがストッパーになれっての、俺ら引退後が心配で仕方ねーわ。」
「山本の場合は怖いとか何とか言われなかったのがよっぽど嬉しかったんだろうなぁ。」
海がしみじみという。