第54章 【義妹復活する】
「えーと、美沙さんがお弁当の他に追加で食べてるのが露見しましてぇ。」
「待って待って谷地さん、追加で食してるのはいつものことやけど何でそないな話になったん。」
「俺がままコが追加でパン買ってるの見たって言ったあたりからお前が治ったら一緒に腹筋かなんかするって話になった。」
「ふぎゃあああああっ。」
昨日力が抱っこの他に何かあると言っていたのはこの事だったのかと美沙はやっと理解する。
「ちょっ影山っ、あんたのせぇかっ。」
「何でだ。」
「こ、こいつは。月島っ、こっちの方がよっぽどボケキャラやろっ。」
「そっちはボケ通り越して馬鹿だから。」
「うっかりせやなって言われへんがなっ。」
「美沙さんそれ言ってるのと一緒だよっ、ツッキーも余計な事言っちゃダメだってっ。」
「ままコ、月島っ、てめーらっ。」
「美沙ー、多分逃げらんないと思うぞ。縁下さん目ぇマジだったもん。」
「美沙さん、頑張って。私は影ながら応援をば。」
「嫌やあああああああっ。」
朝から縁下美沙の無駄に通る声が廊下に響いた。
その後なんだかんだで放課後になってから美沙は谷地に同行して男子排球部の部室を訪れ、清水と木下に差し入れの礼を言い更に自分の知らないところで心配していたという他の連中にも礼を言った。
「元気になって良かったな。」
美沙が去ってから澤村が力に言った。
「お陰様で。」
「でもやっぱり」
東峰がおずおずと呟く。
「ちょっと痩せてたなぁ、ただでさえあんななのに。」
「ヒョロヒョロっすよね、旭さんっ。」
「いや西谷あのね」
「西谷、宿題わかんないとこは自力でな。美沙に聞くのもなし。」
「ぎゃああああっ。」
「でもさ、美沙ちゃんこの後運動が待ってるんだっけか。」
ここでニヤニヤしながら菅原が言い、木下が呟く。
「縁下はとりあえず兄貴枠なのか親父さん枠なのかはっきりした方がいいと思う。」
「木下一個抜けてる、旦那枠。」
「あ、いけね。成田ナイス。」
「何がナイスだっ、いい加減そのネタやめろっ。」
「縁下よ、」
木下と成田に突っ込む力にとどめを刺したのはあろうことか田中だった。