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【ハイキュー】エンノシタイモウト第二部

第49章 【異常事態】


それから美沙の様子は急変した。もともと朝は弱くてぼんやりしているがひどくなった。顔色が悪く寝不足が明らかな日が続く。義父母にどうしたのか聞かれても何でもないと答えるばかりだ。昼から夕方にかけてもぼんやりとしていて谷地や日向が話しかけてもトンチンカンな事を返し、遠回しに気遣った月島がわざと喧嘩を売るような発言をしてもふぅん、と普通に肯定するようなイントネーションで返事をし、後は流してしまっている。それどころか義兄の力にすら何度聞かれても動画サイト見すぎたとかつい漫画読んでたとかばかり言ってごまかしきれないくせに同じような返しを続ける始末である。
異常事態だ、縁下力含め烏野高校男子排球部関係者の多くが思った。

「縁下さんっ。」

何日か美沙のおかしな様子が続いたある日の部活にて日向が声を上げた。

「美沙がおかしーですっ。」

力は咄嗟(とっさ)に反応できなかったが日向を皮切りに他の連中も口々に言い出す。

「そういえば何かここ何日かぼんやりしちゃってるんだよね。」

谷地が言う。

「授業中もやたら寝そうになってるし。」
「僕こないだままコさんに話しかけたけどスルーされた。」
「ツッキーってばわざと怒らすような事言ってたよね、直接大丈夫って言ったげればいいのに。」
「山口うるさい。」
「ごめんツッキー、でも美沙さんが反応しないのは変だったなぁ。」
「俺昨日ままコにぶつかられた。いつもならあいつもうちょっとちゃんと謝るのに昨日はボソッと言っただけだった。」
「影山ーもしかして美沙のこと怒ったんじゃないだろなー。」
「怒ってねーよ日向ボゲェッ、どう考えても普通じゃねーからスルーしたっつのっ。」
「ええっ、影山が考えたぁっ。」
「日向てめえっ。」

日向と影山がいつものじゃれ合いを始めそうになった所で意外にも清水が言う。

「確かに美沙ちゃん何かおかしい。」
「そっちでも何かあったんですか。」

尋ねる谷地に清水は答えた。
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