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【ハイキュー】エンノシタイモウト第二部

第48章 【まさか】


「美沙ちゃん、部外者の俺が嫌な話掘り起こして悪いんだけど、」

菅原が言った。

「薬丸のお母さんが亡くなったのって」
「体が弱かったトコに私を産んだからって聞きました。って、あ、」
「どうした。」

何か思い出したらしき義妹の反応に力は尋ねる。

「ばあちゃんがちょっとだけ言うてた。お母さんが亡くなったんはあいつのせえやって。」

どう聞いても穏やかではない話だった。縁下、と菅原が呟き力も頷く。力は確信していた、亡くなった美沙のおばあさんもほぼ絶縁状態の美沙の親戚も自分の両親も美沙に大きな隠し事をしている。そして先日母が応対していた不穏な電話、力はもしかしてと思ったし多分菅原も同意見だ。しかし義妹の前でそれを口にする事は出来ない。代わりに力は不思議そうにする美沙をムギュッと抱きしめ直す。

「まさか、とは思いたいな。」

菅原の呟きに力はええ、と頷いた。

「それでも今更持ってかれてたまるかって話です。」

そうしているうちに昼休みは終わる。

「すみません菅原さん、余計な事に付き合わせて。」
「いーっていーって、話くらいは聞くよ。お前らすぐ抱え込むからさ、そっちのが心配。」
「え、"ら"って私も込みなんですか。」
「兄妹揃ってそういうとこはそっくりじゃん。」
「兄さん。」
「えーとそれは」

力は苦笑するしかない。しかしありがたい先輩を持った事には違いないと考えていた。

次章に続く
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