第47章 【外伝 菅原の祈りあるいは露見】
「ホントだわ。つーか縁下いつの間にそんなワルになったんだー、親御さんがもらったのを勝手に自分のもんにしちゃって。」
「財産を受け継ぐだけですよ、箱入り娘を箱ごと。」
「お前いつかそれも親御さんに言う気か。」
「どうでしょう。」
「あ、絶対言う、絶対言うぞ、こいつ。」
そして話題の箱入り娘はなおも力にひっついたままだ。
「そこまで言うなら大事にしろよ。まあこの子はそうそうどっかへ行かないだろうけど。」
「今どっか行かれたら俺泣きます、結構マジで。」
ここで開き直ったらしき美沙が力にスリスリグリグリを始めた。
「ああ、ごめんごめん。そうだよな。」
意味を汲んだ力がそんな美沙の頭を撫でる。
「えと、今のは何。」
「どこにも行かへん、らしいです。」
「いやホントお前らすごいわ。」
そうして3人はしばし話を(内1名はほとんど声を発しなかったが)した。
しばらくしてそろそろ授業始まる、と縁下兄妹より先に校舎裏から立ち去った菅原はニヤニヤしながら1人呟いていた。
「ヤバイ、俺の方こそ不謹慎だな。いいぞもっとやれって思っちゃうわ。」
そして菅原は空を見上げた。
「2人とも幸せにいくといいな。」
祈るようなそれが実現するのか、今はまだわからない。
次章へ続く