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【ハイキュー】エンノシタイモウト第二部

第39章 【妹貸出依頼】


「今何と仰(おっしゃ)いました。」

とある夜、縁下力はスマホの向こう側の相手に思わず尋ねた。

「だーかーらー、」

スマホの向こうの相手は軽いノリで言った。

「美沙ちゃん貸してっ。」

こんな事を抜かすのはご存知及川徹である。

「ああああの、うちの美沙は物品じゃないんですが。」
「わかってるって、とりあえずさ、お願いっ。」

及川には見えないがみるみるうちに力の顔から表情がなくなる。

「何するおつもりです。」
「嫌だなぁ、一緒にお出かけしたいだけだって。デートってやつだね。」
「何故うちの美沙なんです、貴方なら一緒に出かけてくれる女の子がたくさんいるでしょうに。」
「うーん、今は美沙ちゃんがいいんだよね。」

力はため息をついた。

「うちの美沙をパグ犬とお間違いでは。」
「つまりどゆことかな。」
「ペットと思ってませんか。」
「そんなことないってー。つかさ、君ら兄妹ちょいちょい難しい例え使うよね。色々物を知ってないと大変そう。」
「普通です、少なくとも美沙の相手するならこれくらいは。」
「む、何か挑発されてる気分。ま、とりあえずさ」

及川は続けた。

「美沙ちゃんだってまれーにだろうけど誰かと出かけることくらいあるでしょ、一緒じゃん。それとも何、まさか妹をろくにお外出れない引きこもりにしたい訳。」

及川に痛いところを突かれて力はうっと唸った。確かに美沙自ら学校やどうしてもの用事以外で外へ出る頻度が低いのは流石の過保護も気にはなっていた。

「で、ですが何故。」
「もー理由がないといけない訳、めんどくさいおにーちゃんだなぁ。」
「あのすみません、貴方の常日頃(つねひごろ)を見てるとものすごく不安です、うちの美沙については今でも弄んでるのではと疑ってます、あと貴方にめんどくさいって言われたくないです。」
「ちょっとっ、遠慮がちな癖に無茶苦茶言うのやめてくれないっ。」

及川はブーブー言いながらも力の問いに答える。
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