第38章 【重要なギ題とその効果】
「ってな事があったんやけど一体何事。」
更にその後義妹から報告を受けた力はえーと、と言葉を濁(にご)した。
「あの流れでそう来るとは思わなかったな。」
「あの流れて何。」
力は別にと誤魔化そうとしたが流石の美沙も誤魔化されない。
「兄さん、人に隠し事したらあかん言うといてずっこいで。」
「うっ。」
「あの月島がそうそうのことで動く訳ないやん、さては男バレでなんかあったやろ。」
「えーと」
それでも誤魔化そうとする力に美沙はボソッと言った。
「明日及川さん誘(さそ)てどっか行こかな。」
「絶対に許さないから。」
「ほな教えて。」
「あっ。」
やられた、と力は思う。半分ボケも最近知恵をつけてきたようだ。仕方なしに力は事の次第を話す。
「とりあえず田中先輩は一体何をしてくれはるんや。」
「明日会った時に抗議したらいいよ。」
「そないする。それでもようわからん。」
うーんと、唸る美沙にどうしたのと力は尋ねる。
「そこで月島が何で私をハンネ呼び。」
「それは俺にもわからないけど」
力は言った。
「月島のことだから嫌なら最初からしないと思う。」
義妹はうん、と頷き、力はその頭を撫でてやった。
次章に続く