第37章 【嫉妬】
「あの時も言ったけどね、ケースに入れて鍵かけときたいくらいなんだよ、本当は。でもそんなの現実的じゃないだろ、ただでさえお前は箱入り娘なのに。」
「う。」
唸る美沙を義兄はもう一度抱きしめ直す。
「こないだ赤葦君が来た時も散々言われたよ、俺は病気だって。」
「うわ、容赦ないな赤葦さん。」
「だからお前のやきもちなんて可愛いもんだよ。」
「そう、なん。」
流石によくわからず美沙はうーんと考える。
「考えなくていいよ。俺もお前もお互い離れられない、それだけだから。」
「わかった。」
「よろしい。」
頷く美沙に力は言ってそっと唇を重ねてくる。美沙も応える。
それはいつもより長く続いた。
次章に続く