第35章 【赤葦襲来 終幕】
「もしいけるとして、烏野のみんなに知らせるならどうなるのやら。」
言う赤葦に力もまたニヤリと笑って乗っかった。
「そうだな、」
力は天井を仰いで呟いた。
「式の招待状はきっと美沙が自分でデザインするだろうな、自分で画像作ってちょいと素材集にも頼って。」
「ああ、あの子なら出来るだろうな。もらった方はどうなるんだろ。」
「大地さんと清水先輩は普通に喜んでくれるかな。旭さんは固まってからホロリとして、菅原さんは多分大笑いで成田と木下はやっぱりやりやがったとか何とか言いそう。」
「他は。」
「山口とか谷地さんはまず叫びそう、田中と西谷は盛り上がってうるさいって近所から怒られて、月島はあーあとうとうやっちゃったよって一瞬呆れるだろうな。」
「変人コンビは。」
「日向は何も考えずに喜んでくれそうかな、影山はどうだろう、ああでもしばらく首を捻ってるだろうな、兄妹だよないいのかこれって。」
「後は誰を呼ぶの。」
「そこまで聞くの。」
「面白そうだから。」
力はもう、と笑う。
「お世話になってるから烏養さんと武田先生かな。烏養さんにはまず怒られそうだけど、お前らいつの間にそんな仲になってたんだって。」
「違いないな。他は。」
「青城の及川さんかな、何かと借りってか恩があるし、後はやっぱり岩泉さん。」
「カオスだな。というか野郎ばっかし。」
「わかんないよ、美沙は今は谷地さん以外友達いないけどもっと先になったら女の子の友達が出来るかもしれない。」
「そうだな。で、」
「赤葦君にも送るから。」
「楽しみにしてるよ。」
妄想を繰り広げながら野郎共はクスクスと笑う。
「あ。」
ふと力は呟いた。
「どうしたの。」
「美沙が起き出した。どうしたんだろ。」
「何でわかるの。」
「足音。」
俺は聞こえなかったと赤葦は呟くが力は構わず布団から出て部屋のドアを開ける。はたしてそこには寝間着姿で裸足の義妹の美沙がいた。
「あれ、兄さん、まだ起きてたん。」
「お前こそ大丈夫。」
「うん、お手洗い行きとなっただけ。」
「そうか。」
力は呟いてそっと義妹に手を伸ばす。
「兄さん」