第31章 【赤葦襲来 第二幕】
「リアルでも濃いけど、ホント面白い子だな。」
美沙が完全に出て行くのを見計らって赤葦はぽつりと呟いた。
「だろ。」
力がニッと笑う。
「賑やかなのはうちの田中と西谷もそうなんだけどさ、あいつのはそっちとは別の切り口でくるから飽きないんだよな。」
「というか、リアルでもふぎゃあって」
「そんなにおかしかったの。」
思い出しでクスクスと笑い出す赤葦に力が不思議そうに尋ねるが赤葦はあれが笑わずにおられるかと思った。
しばらくして美沙が飲み物を乗っけた盆を持って力の部屋に戻ってきた訳だが、
「赤葦さん、どないしはったんですか。」
「いや別に。」
「笑いすぎだよ。」
「何やようわからんけど、飲み物どうぞ。」
「ありがとう、いただきます。」
赤葦はまだクスクス笑いが止まらなかった。梟谷の連中が見たら何事かと驚くかもしれない。
次章に続く