第30章 【赤葦襲来 序幕】
そういう訳で力は後日赤葦にOKの連絡を入れて、日程やら何やらを確認していた。元々しっかり者同士故に話はかなり早かった。
「そういえば」
話が一段落してからふと力は呟いた。
「こっちに来るって話、木兎さんから何か言われたりしなかったの。」
合宿の時に赤葦が手を焼いていたあの主将の様子を思い出して尋ねてみると赤葦はああ、と苦笑したような声を出した。
「遊びに誘われたけど遠くへ泊まりに行くから無理って言ったらどこ行くんだとか彼女と一緒かとか訳のわかんないこと喚いてめんどくさかった。」
「何か目に浮かぶな。」
「木葉さんがブチ切れてぶん殴ったら静かになったけど。」
「うわ。」
「そっちも大概じゃない、1年は月島君筆頭に個性派揃いで2年はあのリベロと坊主君がうるさそうだし。」
「あはは、ご名答。」
「で、後は妹さんが心配、と。」
「勘弁してくれよ。」
赤葦がニヤリとして言ったのが何となくわかり、力は困って頬をカリカリとかいた。
次章に続く