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【ハイキュー】エンノシタイモウト第二部

第26章 【外伝 怪童と義兄妹】


「いやそれよりびっくりなのは人見知りの美沙ちゃんがウシワカちゃんと普通に話してる事だけどね。美沙ちゃん、どしたの。」
「人見知り。」

確かにあまり目を合わせない縁下美沙だったが牛島は人見知りだったのかと内心驚いた。

「悪い人やなさそーやったんでつい。」

縁下美沙が答えたその時、スマホの振動音が聞こえた。

「ゲッ、何か悪い予感。」

美沙は肩のガジェットケースからスマホを取り出す。

「えと、もしもし」

美沙が応対した瞬間、相手の声が牛島にも及川にも聞こえた。通話音量を大きめに設定しているらしい。

「美沙、お前どこにいるの。」
「ふぎゃああああっ、兄さんっ。」

向こうはぱっと聞いた感じでは穏やかな言い方、しかしたちまちのうちに縁下美沙は慌てる。

「えとあの、本屋寄って帰ろうと思ったらその」
「はっきり言ってごらん。」
「あう、う」

パニックになったのか縁下美沙はろくに話せていない。牛島と会話した時とはあまりにも違う。話にならない状況で美沙のスマホを奪い割って入ったのは及川だった。

「あ、もしもし、縁下君。」
「何で及川さんがいるんですか。」
「たまたまだよー、それよりさ君の妹さん今ウシワカちゃんと喋ってるよー。」
「及川、余計な事を漏らすな。」
「ウシワカて白鳥沢の、何でまたうちの美沙がそんな事に。」
「落とし物ひろってもらったんだってー。とりあえず俺もウシワカちゃんも変な事してないから安心してっ。」
「場所はどちらですか。」
「えっとねー」

何故か嬉々として縁下力と話す及川、スマホを取り上げられた縁下美沙はさっきまでの堂々とした態度はどこやらあわわどないしょうとオロオロしている。牛島はポカーンとして様子を見守るしかない。

「はい美沙ちゃん、返すね。」

及川にスマホを返却された縁下美沙はもしもし、と大変気弱な声でまた電話に出た。そして牛島はとんだやり取りを聞くことになった。
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