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【ハイキュー】エンノシタイモウト第二部

第23章 【合宿 第六幕】


「最初妹さんのこの手の趣味どうやって知ったわけ。」
「スマホとパソコンに強いのは最初に顔合わせした時から。だってずっとおばあさんが作ってくれたスマホケース斜めがけ、じゃねぇ。」
「そりゃそうだ。」
「絵描いたり動画投稿したりするのはもうちょい後でさ、部屋に行ったらたまたま。あいつパソコンの画面隠しきれてなくて、それでもごまかそうしてるけど全然出来てないからもうおかしくて。」

力はここでクスクスと思い出し笑いをする。

「知った時、どう思ったの。」

縁下力はえーと、と今度は困ったように微笑む。

「そりゃまぁびっくりしたしどうしようって思った。でもこいつ、やたらグッズ買い漁るとか極端に萌えを叫ぶとか人に押し付けるとかはしないから俺的には許容範囲だった。」
「オタクにも種類があるんだな。」
「うちの美沙は作る方に興味があるみたい。」
「それでついでにライブ配信か。番組作ってるよーなもんだよね、これ。」

力はハハハ、確かにと小さく笑い、赤葦はオンラインで顔も見えない相手に向かって喋って歌うままコこと縁下美沙の声を聞きながら本当に人って不思議だなと思った。この声や縁下力に見せてもらったあの写真からはとてもじゃないがハンドルネームままコが義兄とできてしまっていて、目の前にいるその義兄もままコを狂ってんじゃないかと思うくらい溺愛しているなんて思わない。

「ところで縁下君。」
「何。」
「これ、まま兄貴乱入した方が良くないかい。」
「ちょっとちょっと赤葦君っ。」
「こっちの世界ではそれでとおってるんだろ。」

もうからかわないでくれよと力は呟き、しかし赤葦の意味する所を理解したようだ。

「あの馬鹿、また妙な歌仕入れてきて。」
「そもそもカレンダーにToDoリスト書いてくれる気の利く消火器だなんて歌を作る人の発想が壮大すぎる気もするけど。」
「ちょっとコメント入れてくる。」
「いってらっしゃい。」

力はスマホに向き直り、フォームにフリック入力を始める。赤葦が横から覗き込んでいると、

「ふぎゃあああああっ。」

力が送信したコメントに縁下美沙が反応し、他の顔の見えない奴らが面白がって食いついた。
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