第13章 ★狂い出す歯車★
征十郎は抜かそうと一気に走り出した敦を動かずに片手でカットした
『征十郎...?』
何かが違う...『彼』は征十郎じゃない...
顔を上げた彼の目は、赤と黄色のオッドアイとなっていた
結果は征十郎の逆転勝ち
敦はドリンクホルダーを蹴飛ばし帰ろうとする
『敦!!』
紫原『これからも練習に参加すればいいんでしょ?』
赤司『いや、』
さっきとは全く違うことを言い始める
何で?
そして征十郎は練習に参加せずとも試合で勝つなら許すと全員に告げた
外は雨が降り始めていた....まるで更なる悲劇を予兆するかのように
練習後征十郎に待っていてほしいと言われ、何故かマネージャー室で待たされることになった
それにしても今日はいろんなことが起こりすぎて頭が痛い
『これからどうなっちゃうんだろ?』
ガチャ
赤司『待たせたね。さぁ、帰ろうか』
『うん....』
隣を歩く征十郎は何だか前から知っている彼ではないような気がしてならない
あきらかに纏っている雰囲気と言うものが違うからだ....
『ねぇ、何であんなこと言ったの?』
赤司『好きにさせてやる方が彼等のためになると思ったからさ』
『何だか、変わっちゃったね』
赤司『お前まで変わったと言うか...』
『え?』
赤司『僕は変わってなどいないよ。入れ替わっただけさ』
それって、二重人格?
赤司『おっと、もう着いてしまったようだな。じゃあ零蘭、また明日』
『...どうして待っててって言ったの?』
赤司『今のお前だと、僕を避けるかと思ったからな』
避ける...
当たりかもね、変わってしまった君を無意識に避けたいと思ってしまっていた
全て、彼はお見通しと言うことね