第13章 ★狂い出す歯車★
事件から暫くして
いよいよ全中まで三週間切った
練習は更にキツさを増す
マネージャーの二人も楽ではなく、選手達のケアから情報の収集
日々忙しさを感じていた
放課後の練習も無事に終え、帰る支度をしていた
赤司『零蘭、今日俺と帰らないか?』
『いいよ♪』
赤司『すまない、少し職員室に用があるんだ』
『なら私も行くわ。ちょうど私も用があったの』
赤司『そうか、ならいこう』
赤司は手を差し出すと零蘭は喜んでその手を掴む
最近は暗くなるのが早くなり今はもうすっかり日は落ちていた....
廊下は既に消灯され薄暗い
その中を進み、職員室の手前まで来たところで突然赤司が歩くのを止めた
『どうしたの?』
赤司『静かに...』
人差し指で零蘭の口を押さえる
よくよく耳をすませば、職員室から声が聞こえる
それも聞き慣れた声だった
『修、さん?』
聞いてよいのか分からなかったが既に遅かった
〔白崎零蘭〕
そんな....修さんのお父さんが、病気だったなんて..
しかも、悪化するかもしれない..
それで修さんはそのことでバスケに影響が出てもいいように主将の座を征十郎に譲る...
このことに修さんがどれだけ悩んだことだろう...
ガチャ
修さん...
虹村『お、赤司と零蘭か』
赤司『どうも..』
『お疲れさまです』
虹村『...てかおめーら聞いてやがったな』
赤司『最後の方だけです』
虹村『一番聞かれたくねぇーところじゃねぇか。ま、これからお前が主将ってことだ』
赤司『まだ、決まっていませんよ』
二人の会話を聞きながら思った
修さんは、本気で主将から降りる気なんだ...