第12章 ★邪魔者はどっち?★
〔愛坂姫華〕
ありえない.....これだけ姫華がアピールしてんのに、何で皆靡かないのっ!?
こんなに可愛い姫華なのに!?
絶対おかしい!!いくら彼等に声かけても皆して零蘭零蘭って....!!
あんなんのどこが良いの!?勘違いブスのクセに!絶対に姫華が可愛いのに!愛される存在なのに!!
前の学校は姫華が一番愛されてたのに!他の勘違いマネージャー達だってあの手この手で追い出してみんなを助けてあげたのに
こんなんじゃ、いつまでたっても埒があかない!
こうなったら.....
白崎零蘭、もうさっさと消しちゃっていいよね?
〔NOside〕
黄瀬と共に帰路につく零蘭は明日からまた何かしら事件が起こるのではと気が気でなかった
黄瀬『零蘭っち、顔暗いっすね。もしかしてあの転校生の事気にしてんすか?』
『えぇ、まあ...。慕ってくれる女の子一人、守れなかったんだもの。情けないわ』
黄瀬『それは零蘭っちのせいじゃないっすよ』
『.....ありがとう、優しいのね』
黄瀬『零蘭っち限定でね♪』
『もう...///』
こんな時こそ黄瀬との会話は彼女を落ち着かせてくれる。それが酷く心地よく零蘭は黄瀬の腕にそっと寄り添う
そんな彼女を愛おしげに見つめ、歩く足を止めて抱き締める。瞬間に香る優しい匂いに、軽く目眩が起きそうだった
『涼太はいつも私に優しくてカッコよくて、その上努力家で....私には勿体無いわ』
黄瀬『でも俺は零蘭っち以外にモテたくないし触れられたくないっすよ。それに、俺は零蘭っちだけに愛されたい』
『....離さないで』
黄瀬『離さないっす。もう俺には零蘭っちしかいないって分かってるでしょ?』
『えぇ、だから私も貴方達を愛し続けるわ..』
二人はその場で唇を合わせた
優しく食むように...愛を確かめ合うように
『(あぁ...涼太。好き、好き、好き....)』
このまま時が永遠に止まらなければ...と沸き上がる体の熱を感じながら黄瀬は叶わぬ願いを思う。