第12章 ★邪魔者はどっち?★
明らかに自分が可愛いと見せるような素振りと、離れていても漂う濃すぎる匂い、そしてバスケ部に入るという発言に零蘭は顔をしかめた
『(バスケ部に入る気満々じゃない。確実にヤバイ)』
先『じゃあ、席は』
教師が席を指定しようとしたその言葉を遮るように、その女は『はいはーい♪』と手を上げる
愛坂『先生~、姫華あの人の隣がいいで~す♪』
そう言って指差す先には..
『(私!?あーでも当然か....)』
先『あー悪いがあそこには既に白崎がいるからなー。向こうにしてくれ』
担任が反対の窓側の席を指すが
愛坂『え~、じゃあその白崎って人が変わればいいじゃないですか~?』
途端にクラスがざわつく。このクラス、いやこの学校の女王とも呼べる零蘭をあからさまに追い出そうとしているのだから当然である
『(......)』
赤司『すまないが君は転校生だろう?なら、指定された席に意見はしないで欲しい』
口を開いた赤司の目は今にも愛坂を射殺すようで、恐怖を感じ流石に折れた愛坂は渋々窓側へ座った
『征十郎?』
赤司『心配するな、お前は俺が守ってみせる』
赤司の暖かい手が頭を撫で、零蘭は安堵の笑みを浮かべ、そっと目を閉じた
休み時間になるとクラスの生徒は物珍しい転校生に集まる訳はなく、先程の事で大半が愛坂に敵意を持ち、話しかけるのはごくわずかであった
一方、零蘭の周りにはいつもと同じくらい大勢の女子の取り巻きができていた
?『なにさっきのあの態度!?お姉様がいるの分かって言ってるわよあいつ!』
?『それにあんなブス、赤司君の隣なんて絶対駄目でしょ!?赤司君の隣はお姉様しかありえない!』
?『お姉様、気にしない方がいいですよ?』
『大丈夫よ、これっぽっちも気にしてないわ。それよりも、あそこまで私の事で怒ってくれる貴女達に感謝しないとね♪ありがとう..』
全くと言って良いほど気にしていないと言わんばかりに髪をクルクルと弄びながら、自分のために感情を荒げる女子達にフワッと微笑む
女子たちは途端に真っ赤になり、中には吐血した者も数名いたとか