第11章 ★合宿へGO★
〔緑間真太郎〕
宿舎から見えた零蘭を追いかけ、海へ出ると彼女の姿を探した。暫く海岸沿いを歩くと見慣れた後ろ姿が目に入った
零蘭、見つけたぞ
だが通話中だったようだ...なら少し待とう、と歩を止めて通話が終わるのを待った
内容は聞こえなくとも彼女の表情は月明かりで見えていた。そしてその表情は幸せそうに笑っていて、とても美しい光景となっていた。
だがその光景に見惚れると同時に心の中で俺の黒く醜い感情が蠢いた
誰と話している?
男なのか?
何故そんなに幸せそうなんだ?
そんなモヤモヤとした感情を抱えたまま、電話を切った零蘭に話しかける
すっかり油断しきっていたのだろう、俺が現れたことに酷く驚いていた
緑間『今のは誰からだ?』
きっと今の俺は怒りを露にしているだろうな、目の前の零蘭が少し怯えている
『どうしたの?』
緑間『質問に答えるのだよ、誰からだ?』
『兄弟みたいな人からかな?詳しくは言えないよ』
兄弟みたいな人、だと?
いいや、先程のお前は男に恋い焦がれる女の表情だ
それに、詳しく言えない...と明らかに隠そうとする態度
更に俺の中に感情が溜まっていく。気分の良いものではないな
緑間『こっちへこい』
『え?』
分かってないような顔をする零蘭の手を引き、すぐそこにあるベンチに座らせる
『真太郎?いったいどうしたの?きゃっ!』
俺は零蘭を押し倒し真っ直ぐに上から見下ろす
自分の下にいる零蘭はいきなりのことに戸惑いが隠せていないようだ。そんな姿に気分が高揚していくのを感じる
だが分かっている、彼女を困らせるようなことはしてはいけない
だが、この黒い感情は抑えきれそうにないのだよ
彼女が酷く欲しい.....
『真太郎、どうしちゃったの?っん...』
俺は彼女の口を自分のそれで封じた
『んっ///はあっ、っん///』
緑間『はっ、零蘭....んっ、好き、だ』
止まらない...唇から舌に伝わる熱も、そっと絡め繋がれた手も、漏れる吐息も
全てが愛おしい....
零蘭...