第10章 ★不幸中の幸い★【虹村修造】
そっと抱えるように零蘭の後頭部に手を添える
『修、さん?』
虹村『・・なぁ、聞いていいか?』
『なんですか?』
虹村『今更だけど、何で一人に絞らねぇんだ?』
言葉は少ねぇが、これだけで奴には分かるだろう
『・・・私は、愛がほしい。ただそれだけの理由です』
虹村『一人の愛じゃ足りねぇってか?』
『そう、ですね。私は、悪魔ですから』
虹村『お前は悪魔なんかじゃねぇ』
何が悪魔だ
お前は
虹村『悪魔なんかじゃねえよ、いつも俺らを全力で支えてチームを強くしてくれるお前は』
天使なんだよ
『っ、ありがとうございます』
泣きそうになるのを必死に堪えようとする
だが強がらせるつもりはねぇ
虹村『泣けよ。いいんだよ、お前はそれで、それにお前が自分を否定してたらそんなお前に惚れた俺達が、虚しくなるじゃねえか。だからよ、』
俺達をずっと愛し続けてくれねぇか?
『・・っ、はい』
俺の肩を濡らしながら零蘭は確かに返事をした
〔白崎零蘭〕
あのあと迎えに来てくれた朔夜の元に修さんは運んでくれた
虹村『じゃ、今日は休めよ?』
『はい。あの、修さん』
虹村『ん?何だ?』
私は修さんのネクタイを引っ張ってそっとキスする
真っ赤になった修さんに笑いかけて私は車を発進させた
屋敷に帰ってすぐ薬を飲んで寝かされ、その日はぐっすりと眠り込んだ
夕方目を覚まし、携帯を開くとクラスの女の子達や、部活の同学年、先輩から心配のメールが大量に来ていた
特に涼太が心配性過ぎる
俺死にそうとか言っちゃってるし
敦は激おこだったし
しっちゃかめっちゃかだったよ
まあ、そんな日も悪くないね
(白ち~ん!!)
(いないっスよ~(泣))
(うるさいのだよ、お前ら(ソワソワ))
(緑間、お前もさっきから集中できてないよ)
(赤司、てめぇもさっきから顔が怖えーよ)
(青峰くん、君もですよ)
(おめぇーらっ!!シャッキリとしろ!!)