第5章 ★音楽室★【緑間真太郎】
静寂が街を包む夜に、降り注ぐ白
翳した手の平に、触れた瞬間に融けてく
儚い ヒトカケラ
音もなく積もる、光を集めて君はワラウ
今どんなオト?
応えったって君はもう何も キコエナイ
苦しいって言ってくれよ 寂しいって言ってくれよ
迎えにいく どんなトコへも
行かないでよドコへも 置いてかないで
僕らずっと 二人で一つだろう?
降り積もる雪と共に消えていく君を
抱き締めることしかできないよ
叶うならもう一度だけ君の声がキキタイ
呼んでよ...
間奏の間、何故か泣きたくなる
特に悲しいわけでもなのに、どうしよ涙止まんない
ギュッ
涙を必死に堪えようとしていると突然伴奏が止み、真太郎に後ろから抱き締められる
『真、太郎?』
緑間『すまない、何故だかお前が消えそうな気がした』
『消えないよ、大好きな君たちを置いて消えるなんて私は、』
一度落ちた涙は中々止まってはくれない
緑間『零蘭?泣いているのか?』
私の異変に気づいた真太郎が私を正面から見つめてくる
バレたくなかったんだけどな
『ごめっ、何か止まらなく、て、、』
すると今度は正面から抱き締められる
緑間『泣きたいのなら我慢するな。ここなら誰にも聞かれない』
優しく頭と背中を撫でられ私は真太郎にすがりついた
『真太郎っ、、』
緑間『あぁ、大丈夫だ。俺は、お前の側にいるのだよ』
私は泣きながら彼の名を呼ぶ
その間ずっと真太郎は撫で続けてくれた
『ごめんね』
緑間『気にするな。お前は何でも溜め込む悪い癖がついている。たまには吐き出すのだよ』
『うん、ありがと♪優しいよね、真太郎は』
緑間『お前にだけだ』
そっと頬に手を添えられ優しくキスされる
その感触が気持ちよくて目を閉じる
すると唇が離され、そのまま首もとに顔を寄せられる
軽く身動ぐとピアノから近くの机の上へ押し倒される
『キャッ!え?真太郎?』
名前を呼んでも返答はなく再び首に顔を埋められる
緑間『奴がつけた首輪など捨てろ』
涼太からもらったチョーカーを外される
カシャンと床に虚しく落ちる