第5章 ★音楽室★【緑間真太郎】
正式でないにしろほぼ叶ったと同じこの状況にひどく混乱する
ノートに視線を落とす伏せ目がちな視線
長く細い睫毛が色気を増す
たまに横髪を耳にかきあげる仕草
全てが俺を魅了する
っ、俺は何を見ているのだよ///
先程からまったく進んでいない
気を取り直して俺は自分の勉強に集中した
〔白崎零蘭〕
30分は経ったのかな?
残っている生徒もだいぶ減っていた
固くなった体をグッと伸ばすと疲れがどっと出てきた
緑間『休憩するか?』
『うん。真太郎もお疲れ様♪』
何か息抜きにならないものかと考えていたら、ふとあることが頭に浮かんだ
『ね、真太郎』
緑間『何だ?』
『真太郎のピアノ、久しぶりに聞きたいな♪』
緑間『なっ///(そんな輝いた目で見るな///)わ、分かったのだよ。音楽室が空いていればな』
『やった♪じゃあ、行こ?』
緑間『っ、あぁ』
私は立ち上がり真太郎の手を掴むと教室を出た
~音楽室~
運良く音楽室は空いており、先生も居なかった
私は先に入り、ピアノのふたを開ける
カチャッ
ん?何か聞こえた気がするけどまあいいか
『ピアノってホント綺麗だよね♪』
緑間『そうだな。(お前の方がよっぽど綺麗だがな。)それで、何か弾いて欲しい曲はあるか?』
真太郎は椅子に座りながら聞いてきた
『ん~、じゃあsoundless voice』
緑間『・・その曲か。お前のお気に入りだな』
この曲はよく真太郎に弾いてもらってた
『うん、切ないけどいい曲だよ』
緑間『なら、』
そっと私の手をとる
緑間『勿論、歌ってくれるのだろ?』
『えぇ♪』
静かな音楽室に真太郎の優しい伴奏が響く
私は真太郎に背を向け胸に手をあて、歌い出す
ボカロ曲soundless voice を起用させてもらってます