第5章 ★音楽室★【緑間真太郎】
この辺りから学生の天敵である行事が舞い降りる
そう、テスト週間である
1週間前から部停になり、その期間で必死に勉強する者や、期間を利用して遊ぶ者等、様々に過ごす
私、白崎零蘭はというと、自慢じゃないが勉強は割と出来る方なので、少し余裕を持っていた
ちゃんと最低限はしてるからね?
勉強する日と遊ぶ日をスケジュールに書いて分けている
今日は勉強する日なので放課後はクラスの一部の人達と教室で残っている
征十郎は生徒会の仕事やらで今は不在中
たまに可愛い女の子達から質問が来るのでその度に一人ずつ教えてあげる
また一人教え終わり、勉強を再開すると『零蘭』と少し離れた場所から声をかけられる
声のした方を向くと、真太郎がこちらを見ていた
『なぁに?真太郎』
緑間『少し、教えてもらえるか?』
珍しい、真太郎が行き詰まるなんて
ちょっと意外、と思いながら席を立ち、真太郎の横の席に座る
『どれどれ?えっと、これは前の問題からの答えを利用して』
順番に教えていくと、流石に飲み込みが早くあっという間に答えを導き出した
緑間『成る程、分かりやすくて助かったのだよ。感謝する、零蘭』
優しく頭を撫でられる
『えへへ(*´-`)』
緑間『ところで零蘭』
『ん?』
緑間『今から此処で勉強しないか?また詰まったら、教えて欲しいのだよ///』
少し顔を赤らめて視線を反らす
本人には言わないけどこういう真太郎ってホント可愛い
『いいよ、私も行き詰まったら真太郎に聞きたいしね♪』
緑間『あぁ、ありがとう』
一度自分の席に戻り勉強道具を一式持って、再びあの席へ座る
そしてお互いに机を合わせ黙々と作業に取りかかった
〔緑間真太郎〕
となりに座る零蘭がどうしても気になってしまう
呼んだのは自分だがそれでも実際そうなると緊張するのだよ
一年の時は別のクラスで、その時彼女と一緒のクラスだった紫原がひどく羨ましかった
二年目で同じクラスになったのはいいものの、席は離れ彼女の隣は一番厄介な赤司となっていた
いつか隣になりたいと思っていたのだが