第13章 ★狂い出す歯車★
どうやらその持ち主は誠凛という高校らしく、会場に入ったときには既に試合をしていた
桃井『係りの人に頼んで渡してもらおうか?』
黒子『そうですね....』
誠凛...初めて見たけど、良いチームだわ
全員が一点一点に喜びを感じて、チームワークを大事に....
ふと誠凛の背の高い人に目が行く...
無冠の五将、木吉鉄平...
正直あの人は苦手だ..去年対決したときに敦が対立した
本人が言うには無駄に暑苦しくて嫌気がさす
そして守れる力もないくせに『守る』と言い続けていたらしい
私としては彼が苦手なのは一目見ただけで感じたのだ
彼は人の良さそうな顔をして妙なところで複線を張るような、簡単に言えば何を考えているか分からない人
それも悪い意味で
敵に回せないような
『対戦相手はっと....マジ?』
真兄さん!?
霧崎第一とだったんだ....そういや兄さんも苦手とか言ってたわね...
あぁ、ラフプレーしちゃって...きっと木吉さんが膝を痛めているのをわかった上で仕掛けてるわね
相変わらず悪い人...
でもそれをどうこう言う権利は私にはない
それが彼のプレースタイルなのだから
その後係員に届け、私達三人は会場を出た
『じゃあ、私こっちだから』
桃井『一人で大丈夫?』
黒子『僕が送りますよ?』
『いーの。テツヤはさつきをお願いね』
黒子『分かりました。気を付けてくださいね』
『ええ』
帰り道、誰もいないのを確認して私は携帯を取りだし電話をかけた
花宮『もしもし?』
『やぁ、兄さん。試合お疲れ様』
花宮『見てたのかよ...』
『ちょっとお届け物をしにそっちの会場に来てたんだ』
花宮『誠凛との試合、見たんだろ?』
『ええ、相変わらずの悪童っぷりね』
花宮『ふはっ、それが俺なんだよ。で?そっちはどうなった?』