第13章 ★狂い出す歯車★
あれからテツヤも皆の変わりようにショックを受けたのか酷く沈んでしまった
『テツヤ....』
黒子『零蘭さん...僕は、どうしたらいいのでしょうか?』
テツヤは私に抱きつくと首もとに顔を埋めグリグリと擦り寄る
甘えるように、でも何かにすがるように
『分からないわ...でも大丈夫よ』
そんな彼をギュッと抱き締めながらかけてあげられる言葉はこれだけだった...
なんて私は無力なんだろう...
そう痛感させられた
影響はさつきにも及んだ
テツヤと同じく今の現状に酷くショックを受けていた
そして私たちは遂に三年になった
皆とは普段は前と変わらず仲良くしてもらっている
その時はとても愛しさが増す
それでもバスケになると辛くて仕方ない
練習試合も勝っても誰も笑わない
最後の全中
この頃から勝つことが当たり前になりすぎて退屈していた皆は、試合で誰が一番点を取るか遊び始めるようになった
試合後
黒子『今日の試合、何故あんなことを』
黄瀬『なに言ってんすか黒子っち、遊びっすよ遊び♪』
黒子『っ....でもそれは、相手に失礼なんじゃないですか?』
青峰『テツだろ?手抜くなみたいなこと言ったの、だから雑魚相手にやる気でるように遊びなんじゃねぇか』
『大輝っ...!!』
青峰『んだよ零蘭...勝ってるから良いだろ?お前の望み通りにな』
『こんな、勝ち方...』
もう、やめて...
(テツヤ、それどうしたの?)
(誰かの学生証ですね、高校生ですからきっと隣の会場で試合する所でしょう)
(届けにいこ?)
(はい...)
(さつき、おいで)
(う、うん)
少しでも今の彼らと離れたかったなんて思ってしまう私を許してください