第1章 そこで始まる
私の過去なんて、みんな知らないし、知ろうとも思わない。
信頼して、ずっと一緒に笑っていたのに、その笑顔はあっけなく裏切られ、最後に吐き捨てられた言葉。
「「本当に信じてたの?w友達なんて」」
最後の結末はやっぱりそうなるのね、だったら私は容赦しないし、誰も信じない。
でも、彼だけは信じていいのかもしれない…
利「桃井、ちょっと体調悪いから保健室行ってくる。すぐ戻るから…」
そこから真っ暗な闇に落とされたような、そんな感覚が私を襲った。
遠くから声がする。桃井…?あれ…虹村さんも…?
利「ん…?」
目が覚めると、どっと重い感覚が一気にのしかかった。
虹「おい、大丈夫か…?」
利「なんで虹村さんが」
こんな顔見られたくないなぁ…
虹「いきなり倒れたら、そりゃ来るだろ!」
虹村さんはこんなときでも優しいのか…
虹「大切なマネージャーなんだから…あんまり心配かけるなよ…まぁ、いつも裏方の仕事してくれてありがとな」
その時かもしれない。誰にも信頼されていないと思っていた私が、信頼されていると分かった瞬間は。
そして…
恋に落ちた瞬間は。