第1章 そこで始まる
好きなことはわかってる。
でも、どこかで自分を疑っている。自分さえも信じられなくて。
虹「お、霧咲。今日は早いな。」
利「そうですか?…部員の所、行かないんですか?」
霧「あぁ、桃井に任せてるからな。しばらくは大丈夫だろ。」
また桃井か…もういいじゃないか、桃井を信頼しているわけじゃないだろ…?私は、誰も信頼しているわけじゃないだろ?
別に、桃井なんて気にする必要ないじゃないか…
利「虹村さんは、桃井をずいぶん信頼されている御様子で」
少し冷たかったかもしれない。
虹「まぁな。大事な有力なマネージャーだからな」
そう言ってニッと笑う。
有力ね。求められるのは結局そこだよね。
利「桃井は…誰にでも信頼されますね」
虹「そうだな」
じゃあ戻るわーと言って虹村さんは背を向けた。