第3章 幼き頃。
彼は、東洋人だったと思う。
多分、私も。だってこの髪の色と
顔つきが東洋人でしょ?
彼の両親は憲兵団だった。
だから彼もいつかは憲兵団になるって
いっつも言ってた。
彼が10歳のとき訓練兵団に
入ることになった。
驚いた顔してるね。ゲーアハルト。
でも当時は5年前みたいなことは
考えられかったから規制が緩かった。
だから、私も彼と一緒に9歳で
訓練兵団に入団したの。
理由なんて、なかった。
ただ単に彼が隣にいるのが
当たり前だったから。
訓練にもついていけたし3年後の
12歳のときに調査兵団に入団したの。
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『そんなところじゃない?』
「え。」
『なーによ。そんなこの世界を
守りたいとか、王に仕えたいとか
壁直したいとかの綺麗な理由かと思った?』
「はい。」