第6章 過去~幼少期から訓令兵団
リェンは秋を膝の上に
のせると本を読み出した。
『ねぇ、どうしてリェンは
この字が読めるの?秋
こんな字しらないよ?』
リェン
「……。じぃちゃんが教えてくれた」
『リェンのおじいちゃん?』
リェン
「これ、壁の外の本なんだって。」
『壁の外…?ねぇ、リェンの
おじいちゃん今どこに住んでるの?』
リェンは秋から目を
そらすと窓の外の飛んでいる
鳥を見ながら
小さく呟いた
リェン
「死んだ…。事故で」
『事故?』
リェン
「じいちゃん駐屯兵だった。
…。壁から落ちたんだって。」
『えっ…。』
幼い秋には信じがたい話だった。
リェン
「それに、壁の外のことを知るの
は禁止されている。この本、
ほんとはあっちゃいけないんだ。」