第7章 先生の嫉妬
それは美月が、久々に保健室に来た時の事…
有りもしない噂を、信じられた生徒達に好奇な目で見られ、精神が参り、体調が悪化した。
あまりの気持ち悪さに、早退を考え廊下を歩いていた時に、夢に会い保健室に連れられた。
そして、保健室で休んだ。
何れくらい寝てたんだろう…
目を開けると、保健室の天井が見えた。
ゆっくり起き上がる。
少し寝たら身体が、思いの外、楽になった気がする。
さっさと帰ろう…
シャッとベッドのカーテンを開けると…
「あ…気がついたか?」
紅林がいた。
まぁ、保健の先生なんだからいるだろう…。
「はい…。寝たら、楽になったので帰りますね」
「そうか。その前に喉渇かないか?水飲まないか?」
そういえば、渇いている…。
断る理由がないので貰うことにした。
「そうですね…頂いていいですか?」
水を飲んだらすぐに帰ろう。
「はい」
「ありがとうございます」
水を受け取り、口に含む。
コクン…
「………………?」
数回飲んで、気づく。
(この水…甘い…?)
砂糖水?
まさか、そんな物飲ませる訳ないと、紅林に目を向ける。
とその時
どくん
「…………っ!?」
急速に身体が熱くなる。
コップを落としてしまった。
まだ、中身が残ってたコップは、床を濡らし転がった。
目眩がして、思わずベッドに繕う体勢になる。
「先生…?」
紅林はククッと笑い、美月を見下ろしていた。
「本当に即効性なんだな…」
ギシッ…とベッドを軋ませ、覆い被さる様に美月を組みしいた。
「先生…」
「驚いた?知り合いから媚薬を貰ったんだ…」
媚薬…か…
「…私で試したんですか?」
美月の問いに、笑みだけで返す。
(まさか、先生に薬を盛られるなんて…)
美月は、信じられない思いで一杯だった。