第5章 百合心中
(恋…かぁ…)
夢はぼんやりとしながら、白河を思い浮かべた。
(白河先輩とエッチな事しちゃったけど…あれは流されてって感じだしな…)
なんだか巻き込んでしまった感があって、申し訳なさでいっぱいになる。
どんな顔して会えばいいかわからない。恥ずかしい所を見られて、その上舐められ(いや、舐めて貰ったと言うのが正しいのか?)もう、どうすればいいかぐるぐる考えている。
それに思い出すと身体が疼いてしまい、つい白河と最後までする妄想までしてしまった。
こんな自分が嫌になる。
罪悪感もあるのに、背徳感も感じる。
(もう、開き直りたい…)
もう、楽になりたい。
ため息がこぼれた。
(悩んでるみたいね…)
夢を見つめながら、美月は頬杖をついた。
自分では解決出来ないだろう。白河の事で、悩んでる様に感じたので美月は何も言えなかった。
(白河君じゃないと、どうにも出来なさそ…)
第三者が下手に出て、さらに悪くなっては申し訳がたたない。美月自身、上手く二人の中を取り持つとか、そんな立ち回りが出来る気がしなかった。
こんな先輩で申し訳ない。美月自身、自分の事でいっぱいだった。
誰かと身体を重ねれば、こんな不安感も消えるかと思ったが、そんなのは行為中だけ。結局、一時凌ぎにしかならなかった。
まだ、不安感がもやもやと自分の中にある。
誰かに相談する事も考えたが、なんだか気力がわかない。
怠惰かな?
それとも勇気がないのかな…
他人を信頼してないのかな…
全てかなと思うと、自嘲した。
いっそのこと
堕ちる所まで
堕ちれば
楽かもしれない
けれど、堕ちない様に必死に踏み止まる自分がいるから
暫くは、苦しいままなんだろう