第4章 保健室での秘め事
白河に追い出された美月は、壁伝いに歩いていた。
(あの男…よくも邪魔してくれたわね…)
白河への怒りのオーラを発っしながら。
美月もまた、熱をもて余していた。
「はぁ…」
(白河…憎たらしい男。)
美月の中で、白河に向けていろんな悪態をつけていた。
「青野?どうした?」
声のした方向に、顔を向けると見回りしていたらしい紅林がいた。
(またか…)
前にも遭遇した時の事を、思い出させる。
でも今は…
(ついてないですね…先生…)
美月は苦笑した。
そうしてる間にも、紅林は美月の元に駆けよった。
「具合悪くなったのか?」
紅林が、心配しているのは手に取るように分かる。
「先生…保健室…行ってもいいですか?」
「ああ…大丈夫か?歩けるか?」
「はい…でも…」
美月は、自分に触れる寸前の紅林の手を取り、腕を絡めた。
「少し辛いので、先生の腕借りていいですか?」
辛いのは嘘ではない。
上目遣いに言われ、腕が美月の胸に当たりどきりとする。
(こいつ…わざとか…?)
「っ…わかった。ゆっくり行こう。」
美月の行動にどきどきしながら紅林は、そのまま歩き出した。